[My Style Color 10] しっとりと吸い付くような今どきのマット感とは

2014.07

今月の色   モンタナ スエード
  スエードとは革を毛羽立たせた革のこと。靴の素材としてもおなじみですね。
  スエードという言葉を冠した人工大理石があるなんて、ちょっと驚きましたが、
  古い銅貨のような深く暖かいブラウンをベースにした色合いだそうです。
  最近インテリアの中でも増えてきた、ヴィンテージ風やマット調の素材とも相性が良さそうな気がします。

 

 しっとりと吸い付くような質感。手触り、見た目ともに、そんなテクスチャーが増えているように思います。特に増えていると感じるのは革。ソファというと、つややかになめした革の表情が定番的なイメージでしたが、最近はちょっと変わったな、と思います。

  たとえばこのソファ。表面が毛羽立ったような、均一ではない表情に引かれます。座る重みで革がたわんだりよれたりすると、光の当たり方によっても様々な色合いを見せます。このソファは、革の表面から余分な水分を飛ばし、肌触りをなめらかにする加工をした後、ハンドバフを掛けてヴィンテージのような風合いを出しているそうです。
photo:ALIVAR blow (toyokitchen & living)  

 

そしてこちらの鮮やかな赤のソファ。赤のソファ…なんていうと強い印象ですが、こちらも質感に一工夫あります。これはカシミアのようなすべやかな手触りのヌバックを使っています。座面は幾何学模様がプリントされた特殊な革ですが、こういった強い柄も、ヌバックのしなやかな質感と組み合わせると、とても和らいで見えます。もしこの赤に艶のある革を使っていたら、商業施設などで華やかに見える、印象の強いものになったことでしょう。光の吸い込み具合で、ものって印象ががらりと変わります。

photo:Baxter (omobito)

 

 

 こういった革の質感には、どんなテクスチャーが似合いそうでしょうか。私のイメージでは雨の後の砂浜のような、かたく締まったサンドカラーや、目の細かい土壁のような硬質感。落雁のようなベージュ…。

 しっとりと落ち着いた大人の空間ができそうですね。

photo:FLEXFORM  

 

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 コーリアン®の色名は自然界や素材の質感などに由来するものがたくさんあります。
 ジャスミンの花をイメージしたモンタナホワイトジャスミン。帆布を意味するモンタナキャンバス。
 小鹿の肌を連想させるモンタナフォーン。
 他にも南極の氷の世界をイメージしたマグナアンタークティカなどなど。

 みなさん、そもそもコーリアン®の名前の由来をご存知ですか?
 今から約50年前、コーリアン®を開発した技術者の娘の名前がコーリーちゃんとアンちゃんだったからだとか。
 もしも娘じゃなくて息子だったら、どんな名前になっていたんでしょうね。

 

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