[My Style Color 12] ソフトとハードの距離

2014.09

今月の色   シラスホワイト
  今回のテーマは特に一つの色調に限ったお話ではありませんが、
  新しい住まい方を生み出す家具の中に、人工大理石が取り入れられるようになったら? と想像して、
  一番ベーシックで、安定した人気色の一つであるシラスホワイトを選んでみました。

 

テーブルのような天面を持つ家具、というとどんなものを想像しますか?
ダイニングテーブル、キッチンのワークトップ…住まいの中で広い面積を持つ天面というのはいろいろありますが、今はいろんな面材が、ソファやベッドなどの家具に近づくようになっています。素材と素材の距離感が、変わってきているのです。

 

    たとえばこのソファは、背の後ろにシェルフを背負っています。従来、壁に背を向けたソファが、室内空間の中央に来るようになり、くつろぎながら本に手を伸ばしたり、背のすぐ後ろがテーブルのように使えたりするようになっています。ソファに張られたファブリックや革の素材感と、シェルフの天面の素材(ここでは木)は、座る人の感覚からすると、とても近い関係にあります。
以前は収納とソファの素材感は、あくまでも「眺めの中」でのコーディネートでしたが、ここでは手触りや使い勝手も重視されます。
photo:condehouse MOLA LUX  

 

 またベッドも変化しています。壁に接して、ヘッドボードを持つ。そんなスタイルがお決まりだったベッドも、アイランドベッドとでもいうようなものが登場しています。
このベッドはヘッドボードの部分がテーブルのような形状になり、椅子を置くと、ちょっとしたサイドテーブルになるというデザイン。ベッドリネンとテーブルトップ。これまでは近づくことがなかった素材が、ここでも急接近しています。
 
    photo:cassina SLED

 

  テーブル面の中に椅子が取り込まれてしまう…そんな家具も登場しました。角を切り欠いたセンターテーブルの一部に、スツールがすっぽりと組み込まれています。こういった家具を何個、どう置くかで、空間の使い方が豊かに変わりそうです。この場合も、椅子の張り地とテーブルの天面の素材や色の組み合わせが、印象を大きく左右するでしょう。
photo:B&B AREA  

 

 家具の考え方も本当にボーダーレスになりました。
今のところ、リビング家具には布や木が多く使われていますが、今後、たとえば、そばで熱や水を使う、強い耐久性が求められるなど、家具の用途が広がる中で、採用される素材も石や金属、人工大理石など、その幅も広がってくるような気がします。

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 これまでにもさまざまな場面や組み合わせで使われてきたコーリアン®ですが、その可能性と魅力をお伝えすべく、
 2014年の総合カタログでは、コーリアン®と異素材の組み合わせをご紹介しています。
 まだまだ多様な組み合わせが可能なはず。是非イメージを膨らませてみてください。
 関連リンク:テーマ別利用シーン「他素材と組み合わせる

 

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