アムステルダム国立美術館の改装プロジェクト

Photo: Gielissen Interiors & Exhibitions, all rights reserved.

アムステルダムの主要な観光地である、アムステルダム国立美術館が改装され、館内のほぼすべてのエリアにコーリアン®が使われました。展示品を目当てに美術館を訪れた人々は、コーリアン®でつくられた"アート"にも目を奪われることでしょう。

アムステルダム国立美術館には年間150万~200万人が訪れます。 改装を担当したスペインのCruz y Ortiz建築事務所は長く使える素材として、コーリアン®を採用しました。建築表現として、また、メンテナンスしやすく耐摩耗性が高いという機能性の面でも、サステナブルな素材であると考えたからです。館内のあちこちに、ポルトガル産の天然石材と組み合わせて、コーリアン®を使いました。

プロジェクトのコーディネーションと施工全般を担当したのは、Gielissen社(Gielissen Interiors & Exhibitions)です。 同社の、アイントホーフェン支社のプロジェクトマネージャー、エドウィン・ファン・メール(Edwin van Meer)氏は誇らしげに語ります。

「コーリアン®は3次元加工ができ、考え得る、あらゆるかたちを実現できます。ただし、そのポテンシャルを十二分にひき出すには、素材に関する専門知識が必要です。当社は、今回のアムステルダム国立美術館のプロジェクトに、これまでに蓄積した経験のすべてを活用することができました。たとえば、円形に加工する技術や、天然石とコーリアン®をシームレスにつなぐ特殊な接着のノウハウです。これらは、館内のほかの部屋と空間の施工でも、素晴らしい成果をもたらしました」

エントランスホールで視線を集める、円形のレセプションデスクにもコーリアン®が使われています。ファン・メール氏は言います。

「この場所は、コーリアン®と天然石がいかに上手くつながるかを見るには、最高の場所です。特殊な接着技術で、完璧に仕上がりました。シームレスな曲線もこれ以上にない出来映えです」

天然石の腰板と組み合わせると、天板のコーリアン®もまるで天然石のように見えます。「シルキーで信じられないほど、ソフトな質感のコーリアン®に触れるまでは」。

 

カフェ・レストランでも、コーリアン®をふんだんに使っています。長さ22メートルのポルトガル産天然石でしつらえたバーカウンターのトップを覆っています。カウンターの内側の作業スペースもコーリアン®です。電気のコンセントやエスプレッソマシンの使用済みコーヒーのかす入れ等は、すべてコーリアン®のカウンタートップと一体に取りつけられています。作業スペース全体がシームレスにつながっているため、カウンターの清掃も効率的です。


(左)奥に見えるバーカウンターと店内のテーブルにグレイシアホワイトが使われています。(右)ボトルが並ぶ壁の上部をグルリと囲んでいるのもグレイシアホワイト。 Photos: Gielissen Interiors & Exhibitions, all rights reserved.

 

バースペースの上部の覆いにもコーリアン®が大きく使われています。Gielissen社はここで職人技を発揮し、冷蔵ケースや冷凍庫の目隠しをつくりました。同社が製作した、長さ16メートルのテーブルや、店内の客席のテーブルトップにも、グレイシアホワイトのコーリアン®が使われています。

来場者の目にとまることはありませんが、従業員用のレストランにもコーリアン®が使われています。ここでも長く使えること実用性に優れていることが決め手となり、採用されました。忙しく働く人が使う場では、シームレスでメンテナスの手間がかからないコーリアン®を選ぶのが理にかなうのです。

コーリアン®は、ほかにも館内の随所で使われています。たとえば、音声案内装置を貸し出しているインフォメーションデスクではコーリアン®の「サンド」が使われました。休憩用のベンチもそうです。

ファン・メール氏は冗談交じりに、こう語ります。

「レンブラントの『夜警』に描かれている人物たちが、この美しいベンチを畏敬の念で見つめる姿が想像できます」
 


コーリアン®のスリップ防止材をとりつけた階段。
Photos: Gielissen Interiors & Exhibitions, all rights reserved.

 

さらに、すべての階段室にコーリアン®製のスリップ防止材が使われました。合計900以上の段板に設置されています。

「この素材を選んだからには、アムステルダム国立美術館はこれから先、何年もその美しさと安全を保つことでしょう」

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