色とりどりのケーキを抱えてきらきらと輝くショーケース

製パン・製菓産業に必要なあらゆる機械・器具、材料、資材などが一堂に集められるビジネスショウ「2015モバックショウ 第24回国際製パン製菓関連産業展」が2015年2月18日から21日までの4日間、幕張メッセで開催された。

 同展は、食のプロ向けの見本市だが、会場内では有名パティシエや和菓子職人などによるデモンストレーション、パンの世界大会なども開かれ、華やかな雰囲気と甘い香りに包まれていた。また、開催が2年に一度ということもあり、出展している各社がそれぞれに力の入った展示やPRを行っていた。その中でもひときわ異彩を放ち、目をひいていたのが冷蔵ショーケースメーカーである株式会社アリガが展示したコンセプトケースだ。


アシンメトリーな楕円のガラスケースをやじろべえのように底辺がとがったコーリアン® の躯体が支えているようなイメージでデザインされたコンセプトケース。

「まずは興味を持っていただこうという集客の目的もありましたし、ある種のお祭りのような、見本市の雰囲気を盛り上げる役割も果たすデザインを採用しました。また、社内的には、自分たちがここまでできるということを再確認することで、社員のモチベーションを高めることができるよう、技術的にも難易度の高いことに挑戦しました」と話してくださったのは、同社の対面ケース事業部の田中栄二氏。

「最近は、ショーケースも、単なる販売ツールというより、インテリアの一つとして店舗づくりに用いられるケースが増えています。そうしたニーズに応えることができると示すためにもデザイン性の高いものを提案しました」と、同事業部の設計担当である佐藤彰修氏。社内コンペで選ばれたというオブジェのようなデザインの立体感や滑らかな曲線を表現できる素材としてコーリアン®が候補にあがった。


コーリアン® 部分は、六角形と五角形の組み合わせで構成されている。そこに凹凸や曲線が加わって、複雑で印象的な形が生まれた。

「まずは、こうした加工が可能かどうか、専門知識のある方に相談しました」と佐藤氏。今回、コーリアン®の加工を担当したのは、大日化成工業株式会社だ。「最初に二次元の図面をいただいたのですが、あまりに複雑な形状のため、まず模型を製作してデザインを確認していただきました」と同社社長の平澤正嗣氏。そこで5分の1サイズの模型が製作され、凹凸のバランスなどを調整後、約1ヶ月で完成に至った。

「とにかく初めてのことなので、週に一回、製造部リーダー、若手社員を含めて打ち合わせをしながら、作業をすすめました」と話してくださったのは、製作担当の株式会社アリガ製作所設計課の村社建氏。

「コーリアン® ウィッチヘーゼルを使用していますが、凹凸のある形状でも、流れ模様がきちんとつながるように接合するなど、丁寧な仕事ぶりに驚きました」。

株式会社アリガでは、こうしたイベント用の特別なショーケースだけでなく、通常製造しているショーケースでも、コーリアン®が使われることが多いそうだ。

ショーケースとは別に展示されていたコーリアン® ミルキーホワイトのトレイ。継ぎ目や角をつくらない加工ができるため、汚れがたまりにくく、清潔に保てるそうだ。

「やはり、つなぎ目のない一体型のデザインができることが大きな魅力でしょう。加工性がよいので、デザインにこだわりのあるお客さまには、コーリアン®をおすすめします。天然石のように個体差があまりなく、色柄が安定していることも、クレームになりにくいという点ですぐれた素材だと思います」と田中氏。また、メンテナンスがしやすく衛生的な点も、食品を扱う店舗へ納入するショーケースには、適した素材であると語ってくださった。

 

「2015 モバックショウ」

  • 会期 2015 年2 月18 日(水)~ 21日(土)
  • 会場 幕張メッセ
  • 主催者 日本製パン製菓機械工業会

「アリガ コンセプトケース」

  • 出展者 株式会社アリガ
  • デュポン コーリアン® 加工協力会社 大日化成工業株式会社

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