デザイナーとのコラボレーションで世界に羽ばたく日本の家具づくり

ナカサ&パートナーズ ©株式会社マルニ木工

2011年、ジャスパー・モリソン氏デザインによる「Lightwood」シリーズと深澤直人氏による「Roundish」シリーズが発表された。
その「Lightwood」シリーズのダイニングテーブルの天板にコーリアン®が採用されている。

「Lightwood」シリーズの特徴はその軽さだ。
余計な部分を排除し、極限まで絞り込んだ美しいフォルムは、まるで彫刻作品のよう。こうした職人技でなければ再現しにくい繊細なデザインが可能であるもの、80年以上の歴史を持つ老舗家具メーカーの技術力があってこそ。

同社は創業当時から“工芸の工業化”を掲げ、独自に加工機械を開発するなど「職人の手によらない分業による家具づくり、量産化」に取り組んできた。「Light wood」シリーズは、そうして培われた同社の技術力を最大限に活かすべくデザインされた。

また、チェアの座面素材やボディカラーを選べることも特徴のひとつ。ダイニングテーブルの天板もメープル突板とコーリアン®から選ぶことができる。


川部米応 ©株式会社マルニ木工

「天板のラインナップにコーリアン®をいれたい。」というのはモリソン氏の要望。

モリソン氏によると、「コーリアン®は美しく、とても実用的な素材だと思ってきましたし、木材と組み合わせた多くのキッチンカウンターの設計でも使ってきました。今回、Lightwood tableをデザインするにあたり、コーリアン®を組み合わせることで新しさを持たせようと考えたのです。異なる素材の対比がとても面白いと感じています」とのこと。

カラーは、モリソン氏がよく採用するというカメオホワイト。「コーリアン®の中で最も美しく、目にも優しく、白過ぎず、コーリアン®を最も良く見せる深い表情を持っているからです」とその理由を説明してくださった。

マルニ木工開発部の川上敏宏氏は、デザインの再現が技術的に可能か、生産性を落とさずに木とは異なる素材をいかにラインの中に組み込んでいくかなど、さまざま課題をクリアするのに1年半をかけたという。

「新しい取り組みだけに、製品化は慎重に行いました」と川上氏。だが、今回得たノウハウを活かしつつ、今後の製品展開にもコーリアン®を採り入れる可能性が広がったという。

大山氏も「木部との接着という課題がクリアできたということも大きいのですが、素材としてメンテナンス性と丈夫さがある点も魅力ですね。また、実際に各国で展示会を行ってみて、海外でのコーリアン®の認知度の高さもあらためて実感できました」と語ってくださった。

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