緑豊かな空中庭園 自然に人が集う ウォーターテーブル

池袋駅に直結する西武池袋本店の屋上が、憩いの場として注目を集めている。

「いつでも誰でも気軽にくつろげる屋上空間を目指し、『人と自然が織りなす風景画』をコンセプトにランドスケープを設計しました」と有限会社アースケイプの荒木宗一郎氏。

デザインは、印象派の画家、クロード・モネが愛したノルマンディーの「ジヴェルニーの庭園」とモネ晩年の大作「睡蓮」にインスピレーションを得て計画された。

「都会にいながら、自然や季節を感じることができる場にしたいというご要望でした。とはいえ、既存の屋上の改修工事のため、いくつかの制約があり、実際の庭園のように樹木や水を豊富に使うことはできません。そこで、モネの庭のイメージを抽象化したモチーフをデザインに取り入れ、緑や水はポイントをしぼって効果的に使うことを考えました」と荒木氏。

屋上の床を水面に見立て、100万枚のタイルで、モネの色彩を再現。そこに配置された大小の円形のデッキは、水面に浮かぶ蓮の葉を表現している。センターラウンジには、たっぷりの水をたたえた直径11mの円形ウォーターテーブルが置かれている。

「庭園の中心に、シンボルとなるものをつくりたいと考え、水辺でくつろいだり、飲食を楽しむことができるウォーターテーブルを提案しました」。

このテーブルのトップに、コーリアン® が採用された。今回のように、屋外ファニチャーに、 コーリアン® を採用されることも多いという荒木氏に、その理由をうかがった。

「手に触れた感覚というのは無意識ですが、そこから得る情報も多いと思うのです。 コーリアン® は、触れたときに伝わってくる心地よさや安心感といったものを備えている素材だと思います。だからこそ、直接的に触れられるところで使いたいという気持ちがあります。今回は、飲食にも利用される場所なので、メンテナンス性の高さでもコーリアン®しかないと判断しました」。

ディナータイムにはカップルが、昼間はサラリーマンやシニア世代、ときには宿題を広げている子どもがいたりと、レストスペースとして充実した「空中庭園」の中でも、ウォーターテーブルは特に人気だ。

「人が集まる場所になった理由のひとつとして、手に触れて心地よく感じる コーリアン® という素材の力も大きいと思います」と、うれしい言葉をいただいた。


「移ろいゆく情景を表現することも、テーマでした」と荒木氏。昼と夜で異なる雰囲気を見せる光の演出もその一つ。「テーブルトップにも照明を入れていますが、コーリアン®に反射した光はやわらかく自然な雰囲気。光を受ける面としても好ましい素材です」。

ウォーターテーブルの水盤内にも貼られたモザイクタイルの色彩は、仏・オルセー美術館までタイルを持参し、実物の「睡蓮」と見比べながら決定した。


トイレ前にある手洗いのトップもコーリアン®で製作。カウンターとシンクを一体化したデザインで、メンテナンス性の高さも備えている。

 

●ランドスケープ設計 
    有限会社アースケイプ      団塚栄喜、荒木宗一郎
●施工  株式会社 竹中工務店
●造園  株式会社 日比谷アメニス
●デュポンコーリアン®加工協力 
        株式会社エイペクス
●所在地 東京都豊島区南池袋1-28 -1 西武池袋本店 本館9階(屋上)
●運営  株式会社そごう・西武

 

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