【コーリアン®と匠たち_Vol.1】 コーリアン®でつくるプロダクトが完成するまで(1)

濱田淳:ADOPTキッチンワークス代表。デザイナー、キッチンスペシャリスト、二級建築士。東京を中心にキッチン・インテリアデザインを手がけるほか、企業との商品開発やデザインサポートなども行っている。

無垢材を使いこなす!ひとつの柄で2つの表情が楽しめるコーリアン®

キッチンやインテリアなど、日々の暮らしに寄り添いながら空間に個性を与えてくれるデザインを手がけている濱田淳さん。2019年の新色を使ったキッチン&洗面シンク「ノエルス」※のアイデアが生まれたきっかけから、製品として形になるまでを全3回のシリーズで紹介します。

 

まるで違う柄に見える、表裏のギャップを生かしてみよう

ご自宅兼事務所でも、キッチンシンクにコーリアン®を採用されている濱田さん。これまでにも、異素材との組み合わせやすさ、加工のしやすさなど、コーリアン®の特性を生かしたキッチンを提案されています。

「2019年の新色のサンプルを手にとって見ていると、板の表と裏がまったく違う表情のものがあって、面白いなと思いました。しかも裏面も、“いかにも裏”という感じではなく、それはそれで、一つの柄として成立しそう。まるで別のもののような表面と裏面を同時に見せることができたら、そのギャップが新鮮だし、コーリアン®の使い方としても新しい提案になるかなと考えました」と濱田さん。そして完成したのが、コーリアン®の一枚板から作ったシンクと金属の脚を組み合わせたミニマルな洗面シンク。使用したのは、表裏のギャップが際立つシルバーリニア、ドミノテラッツォの2色でした。



「シルバーリニアは、コーリアン®らしい流れ模様ですよね。直線に近い柄は、ほかの素材にはないかな。ドミノテラッツォは、昔よく見たような感じもしますが、若い世代には新鮮に映るとか。そこに、僕自身が気づいていない意外性が隠れているかもしれないと思って選んだカラーです」と濱田さん。

 

コーリアン®の板をそのまま、まるごと見せるデザインに

実は「ノエルス」は、濱田さんのオリジナルデザインとして既にリリースされていたキッチン&洗面シンクのシリーズでした。ただし、既存のデザインはカウンタートップに埋め込むスタイルで、シンクの内側、つまりコーリアン®の表面だけが見えていました。「新色を使ったシンクは、板の表と裏と、さらに3つめの面として小口も見せるために、カウンタートップとは組み合わせず、シンクだけを取り出してスタンドと合わせるデザインに仕立てました。言い換えれば、板そのままをいかに使うかという発想ですね」。

濱田さんがデザインしたキッチン&洗面シンク「ノエルス」をベースに、コーリアン®の表裏の柄を同時に見せることができるようアップデートした洗面シンク。シンクの内側が板の表面で、外側は裏面をそのまま見せています。同じデザインでキッチンシンクへの展開も可能。

 

裏を隠さなくてよければ、デザインの幅も広がる

「無垢材であるコーリアン®は、柄によっては、裏が別の柄として成立するものもあります。製品として意図した使い方ではないかもしれませんが、裏を隠さなくてよいということは、デザインの自由度も高くなるので、コーリアン®ならではの新しい提案が増えるかもしれせんね」と濱田さん。無垢の木の板のように、表裏を同時に見せることができるという、新しい個性の発見により、コーリアン®の使い方が変わっていくかもしません。

 

※「ノエルス」は意匠登録済、実用新案登録済の製品です。

 

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