[My Style Color 15] 色を選ぶことは自分自身について考えること

2014.12

今月の色   オールカラー
  このコラムも早いもので最終回です。
  執筆はサンプルボックスを預かり、毎月、それを開いて見つめることから始まりました。
  今回は特定の色ではなく、すべての色につながる考え方を書いてみました。

 

 

オーラソーマというセラピーがあります。
油と水…なのでしょうか。中が2色に分かれたボトルがあり、好きな色の組み合わせを選びます。
考えてはいけません。直感的に選ぶのが大切なのだそうです。
私も一度体験したことがあります。色の上下や組み合わせで、その人の今の状態、潜在的な未来への気持ちを読み取って行きます。
サンプルを見つめる作業は、このオーラソーマの感覚に近いかな…と思い出すこともあります。取材の中で知らず知らずに印象に残っていた色や素材感を見つけ出し、改めて考え直す好機になりました。
 

 

 

 これを読んでいるあなたは、きっとキッチンづくりに際して「キッチンの素材って自分で選べるんだ…」と初めて知って、ここにたどり着いたのでしょう。

 住宅を数百軒取材して、いろいろな人の家づくり、キッチンづくりのインタビューをしてきました。そこで知った事実は「すべてを満たす完璧な素材」はこの世に一つも存在しないということです。
かならず一長一短があります。では何を選ぶのが正解なのか。それは自分にとってベストなものが何かを見極めることです。

 

 そして100%完璧な家を立てている人はいません。どんなに考え抜いたつもりでも、予算を掛けても、こうすればよかったとか、ここがこうだったとか、必ずそんな箇所が見つかります。けれども家づくりに満足している人は、この先がすごいのです。そんなちょっと困ったところを、自分の工夫で解決して暮らす賢さと愛情があるのです。それはそれで認めて受け入れて、「つきあう」ことで、住まいというモノを家族の空間に育てているのです。8割OKなら、それはもう、大丈夫。  

 

 

 一般的に言って、コーリアンはかなり耐久性のある素材です。水や油に強く、お手入れもしやすいです。だからあまり機能面は心配しなくていいですよ。キッチンインテリアの空間全体の眺めの中で、個人的な素材感の好みで、そして家族を象徴する色を考えて、自由に選んでみてください。

 コーリアンは家庭ではキッチンや洗面のワークトップに使うことが多いでしょう。料理するときずっと手に触れている。朝、顔を洗うとき、寝る前に歯を磨くとき…その色を眺めている。

photo:le creuset (Le creuset japon)  

 

コーリアンのサンプルボックスを開くとき、どんな色が気になりましたか。
その最初の直感をいつまでも忘れないでください。あなたの長いパートナーになるものですから。

 

 

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 15回のコラムを通して、色や素材が私たちの生活においていかに大切な要素であり、大きな影響を与えるものか
 ということを改めて感じると同時に、手前味噌ではありますが、豊富な色柄と特有の質感をもったコーリアン®
 今までにも増して愛おしく思っています。
 来年4月には新色7色を増やし、更にカラーラインナップも充実するコーリアン®
 お気に入りの一色をあなたのパートナーとして選んでいただく機会があれば嬉しい限りです。

 

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