「素材探求」 多摩美大生とのワークショップ
ちょっとご無沙汰してしまいましたが、今回は多摩美術大学 Tama Creative Club(TCC)のメンバーとの
TCC×CORIAN®ワークショップ の様子をご紹介したいと思います。
そもそもTama Creative Club(TCC) とは、学科横断型の 学生コミュニティー。
学科を超えて作品を共作する事を目的とし、情報デザインコース、メディア芸術コース、プロダクトデザイン専攻、彫刻学科
など、幅広い学科の学生が所属しています。
デザインに、創作活動に、そして素材に興味関心を持った、アクティブな学生たちです。
ワークショップの流れとしては、まずオンラインでのコーリアン®についての講義を行いました。そして実際にコーリアン®を
いじってみる加工研修へと進みます。
加工研修会は多摩美術大学の八王子キャンパス内の施設をお借りして開催しました。
八王子キャンパスにお邪魔したのは4月下旬。
緑豊かな広大な敷地に最新の設備を備えた、うらやましい限りの環境です。
今回のワークショップ開催にあたり、私たちとしては、将来のデザイナーたちに、コーリアン®を知ってもらい、コーリアン®ファンになって欲しい。
という思いもありますが、これから活躍する彼らに、コーリアン®だけではなく、様々な素材を知り、理解することの大切さを知って欲しい。
という願いもこめています。
研修会では基本的なコーリアン®の加工特性を体感していただきました。
タイベック®製のジャンパーを着て、さあスタートです!
まずはコーリアン®専用の接着剤を使用し、コーリアン®同士の接着作業。
接着剤を注入。この季節だと圧着して待つこと数十分で接着剤が乾きます。それをまずはカンナで粗削り。
あとは平滑になるまでサンダーで磨きます。
専用接着剤を使用することで、継ぎ目がほとんど目立たない、きれいな仕上がりになります。
今度は曲がることの体感。
本来は加工屋さんの工場の大きなオーブンで135℃~160℃程度まであたため、オスメスの木型にあてて成型します。
今回は簡易的に家庭用トースターを使用。あたたまったコーリアン®の小片を手でじわーっと曲げてみました。
色柄にもよりますが、12㎜厚のコーリアン®だと、最小内Rで100㎜から200㎜程度までまげることができます。
曲線で表現されたコーリアン®は独特の質感が増し、触らずにはいられない素材感を醸し出します。
かのザハ・ハディッドもコーリアン®の加工性を生かして、有機的な曲線美を持った作品をデザインしているんですよ。
みんな手先が器用で、作業はとてもスムーズに進んでいきました。
今回の加工研修を経て、これから先が本番です。
実際にコーリアン®のサンプル材を利用して、作品作りをするための準備を今進めています。
使用するのは廃番になってしまったサンプルなので、完成する作品はエシカルプロダクト。とも言えますね。
そもそも様々な学科の学生たちが参加しているTCC。
ついつい、コーリアン®はこう使われるもの。と固定概念にとらわれがちな私たちには想像もできないような、新しい視点での作品作りをしてくれることを期待しています
なぜ、その作品を作ろうと思ったのか。どう使って欲しいのか。そのあたりもじっくりインタビューして皆さんにも
ご報告したいと思います。コロナ禍、スケジュールも状況を見ながらになりますが、6月頃には皆の作品が
完成する予定ですので、どうぞお楽しみに。
Y.S.