[My Style Color 13] 食材が「景色」になる色とは?

2014.10

今月の色   サフラン
  サフランは、赤いめしべをご飯に炊きこむと、柔らかなイエローと香りが広がる高級スパイスのひとつ。
  そんな食のシーンを想像させる色です。
  キッチンで使う素材は、食材のイメージとリンクさせても素敵・・・そんな風なヒントを与えてくれます。

 

 この2、3ヶ月、特にキッチンの取材が多い時期でした。私が取材するキッチンといえば、ほとんどがオープンキッチン。ダイニングの家具やリビングのソファと、キッチンが隣接し、ワークトップやキッチンの扉の素材とインテリアの調和を重視する人が大半でした。

 そんな中、私が面白いな、とおもったのは食材とワークトップ素材の調和でした。今回は料理をしてもらう取材も多かったのですが、どう撮りましょうかなんて相談しながら、食材やお皿、カトラリーをあまり考えずににさらりと置いた時、素材同士のひびきあいに、はっとすることも多かったのです。

   
  たとえばテット・ド・モワンヌというチーズがあります。これはジロールという専用の道具で削って行くのですが、淡いミルク色の花びらのようなチーズが、キッチンのワークトップの黒に映えていました。コーリアンの「マグナグラベル」という色ですが、ミネラル感ある表情もよかったのです。

 そこにカトラリーを広げたときのシーンもまた素敵でした。窓から入る自然光がワークトップに反射し、カトラリーのステンレスがキラキラと輝いていました。引き出しから、出しただけの状態ですが、いいものを使っていると、こんな風にすべてが「絵になる」「景色になる」のです。  

   無垢のオーク材をワークトップに使う人のキッチンでは、まな板やフルーツ、マッシュルームなどの色が、まるで静物画のように美しく見えました。 キッチンのワークトップは、そんな食材や道具の背景としてとても大切…と痛感するシーンを何度も見かけました。
スパイス色の素材…そんな素敵な名前の表情がキッチンにくわわったら、いつもの食材ももっと美味しそうに、見えてくるかもしれませんね。

 

 キッチンのワークトップは、そんな食材や道具の背景としてとても大切…と痛感するシーンを何度も見かけました。
スパイス色の素材…そんな素敵な名前の表情がキッチンにくわわったら、いつもの食材ももっと美味しそうに、見えてくるかもしれませんね。

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 サフラン・ヘーゼルナッツ・バジル・セージブラッシュ。
 これらはすべてコーリアン® プライベートコレクション シリーズにある色名です。
 ちなみに、セージブラッシュはヤマヨモギのことだそうです。
 プライベートコレクションは、自然界の繊細な色味や風合いを表現した、人気のシリーズ。
 2014年10月現在、日本では9色の取り扱いですが、アメリカではなんと35色も種類があります。
 今はまだ日本で取り扱いの無い色も、少しずつもご紹介する機会を作りたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。

 

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