[My Style Color 06] 黒が暮らしを引き立てる

2014.03

今月の色   シエラ*ブラッククオーツ
  漆黒の夜空に星が散りばめられたように見える黒。
  真っ黒ではなく、遠目に見るとニュアンスのあるトーンなのが、心引かれます。
  黒=「重い、暗い」ではない、新しいとらえ方が広がっている中で、とても時代にあった色かもしれません。

 

 

 黒をインテリアに使う。
 日本ではなかなか難しかったことかもしれません。
 けれども最近は真っ黒なキッチン、というのもよく見るようになり、インテリアの色の考え方がずいぶん変わってきたな、と思います。

 日本のインテリアといえば、白やベージュなどの無難な色、グレーやアイボリーのニュートラルカラーが定番です。床や壁、キッチンも同じく白や明るい木目を選ぶことが多いようです。

 そんな中、黒は空間をぐっと引き締めます。ただし真っ黒というより、少し素材感のある黒がおすすめです。カーボンブラック、チャコールブラック、アイアンブラック。住まいの空間に自然に取り入れられる黒は、実は意外と多いのです。日本でも漆喰に墨を混ぜて壁を黒く塗りこめることがありました。光を柔らかく反射する含みある黒でした。

  
  Photo:toyokitchen&living(japan)

 

  

 私が最近、気になっているのはスレート。
 スレートとは英語で瓦の意味ですが、石の割れ肌のような凸凹した瓦のような黒をインテリアやテーブルコーディネートでよく見かけます。
 スレートの四角いプレートはパーティテーブルでの定番になりつつあります。それというのも、新鮮な食材の瑞々しさや色がよく映えるからだと思います。
 先日もある立食パーティで差し出されたお寿司の小皿が黒のスレート。
 マグロの握りの鮮度のある赤が、黒の上でとてもきれいに見えました。

Photo:LIND DNA(Denmark)  

 

 キッチンやテーブルのトップを黒、というのは重いでしょうか?
 いえいえ、バランスさえ間違えなければ、こんな風に、暮らしの中の道具や食器、料理を引き立てる役割を果たしてくれると思います。
 ビビッドな色のキッチンアイテム、和食器や漆器、そしてシンプルな白のテーブルウェア。黒の上に載せたところを想像してみてください。とてもモダンで美しいと思いませんか?
 
Photo:RIG TIG Denmark

 

 ところで知らず知らずのうちに、みなさんが黒を大胆に空間に取り入れているものがあります。それはピアノ。
 先日もコンクリート打ち放しの空間にグランドピアノが置いた家を取材しました。それなりのボリュームがあるものですが、ピアノは黒、という先入観があるため、おそらくあまり抵抗なく置かれることが多いのだと思います。つややかなピアノ塗装の黒。空間に求心力が生まれて、黒という色の魅力を改めて感じました。

 

 
 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 コーリアン®はマットな質感が特徴ですが、シエラブラッククオーツはじめ特に濃色は磨きこんで艶を出すと高級感が増し、
 またちがう表情を楽しむことができます。
 ただ、濃色のコーリアン®の特徴として、こすり傷や手油が目立ちます。
 お手入れにもご注意いただきたい点がございますので、濃色コーリアン®をご検討の際には こちらをご確認ください。

 

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