[My Styel Color 02] フラットなパステルカラー、 そのモダンな雰囲気に目覚めました

2013.11

今月の色   ティーローズ
  コーリアンの中では一番強いピンクに見えますが、遠目で見てみるとほんのりと淡い感じです。
  大面積で使うとベージュのようにも見えそうです。
  ちなみにティーローズとはその名の通り、紅茶のような香りがするバラの系統です
  (もう一つは華やかな香りのダマスク系があるそう)。
  ティーカラーの流れからか、ブラウンとも相性のよさそうなピンクです。

 

 

 先日、ある撮影でこちらのMRC・デュポンさん(現デュポン・MCC株式会社)から、コーリアン®のサンプルをお借りすることになりました。色柄はスタイリストさんにお任せしていたのですが、彼女が選んだのが意外な色。
 

 それがティーローズです。実は私もインテリアの現場では、まだあまり見たことがありません。人工大理石というと、白や茶、ベージュ系、石目柄などニュートラルトーンが頭にあったものですから、彼女のセレクションには意表をつかれました。「樹脂のフラットな質感で淡いローズ色というのが、ある意味、モダンだから」と彼女は言ったのです。人工大理石という素材感の特徴をよく見抜いた言葉です。

 ティーローズはローズ色といっても、いわゆる甘い可愛いピンクではなく、すこしくすんだようなパステルピンク。これがインテリアで大きな面で使われると、モダンな小物や家具にとてもよく合うことに気づいたのです。

 たとえばこの写真は壁に淡いピンクを使っていますが、今ふうの木目と、直線的で線の細い家具に似合っています。

 
Photo:String (Sweden)

 

 

   そしてこういった微妙な色やニュアンスは、ちょっと最近のインテリアでは気になる色となっています。ネオ・シャーベットトーン、モダンパステルといいたくなる色。天然素材に出せない色こそ、人工大理石など人が色味を調整できる素材の得意技かもしれません。
 家具のフォルムも薄くフラットで、モダンパステルと相性の良さそうなものが増えています。このダイニングも背景はフラットな感じのペールグリーン。ローズ色のモダンさと通じるものを感じます。
photo:HAY (Denmark)

 

 キッチンに置かれる食器やキッチングッズも、この色味が増えました。日本の家庭でも愛用することが多いイッタラの食器。これまでは白やブルーなどベーシックなカラーが多かったシリーズも、2013年にはセラドングリーンというパステル調の緑が登場。グレーや白とよく合います。
 
 
  photo:Ittalla(Finland)

 

    また写真のトレイも自然の緑ではなく、樹脂の緑だからこそ、パキッとした感じで、よいのです。もしこういったものがキッチンに置かれるなら、ティーローズだけではなく、ビーチグラス、ダイヤモンドブルー(以上はすべてコーリアン®からの色の名前)のような色をワークトップに使うと、とてもおしゃれかも。そんな楽しい妄想が沸いてきました。

モダンパステル―そんな目で見直してみてください。

 

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

  コーリアン®スタッフからひとこと

 ティーローズを採用した事例のひとつに、公園に置かれたハート型のベンチがありました。
 上品なピンクは自然の景観にもマッチしていて、思い出深い作品です。
 使う人の思いを伝えてくれる色は、あったかい気持ちになりたいシーンにお薦めの一色です。

 

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