[My Style Color 08] グリーン―サポートカラーから主役へ成長中

2014.05

今月の色   ブルーミンググリーン
  その名の通り、若々しく芽吹く緑…というようなグリーン。少々、黄色味も効いた緑、という印象です。
  日本人の目にはグリーンティー色とでも言えるでしょうか。和の空間にも合いそうな気がしました。

 

 

 緑という色は、どこか控えめです。赤青黄色の三原色のように柱となることもなく、黒や白のような極端な位置づけもない。自然から生まれた、やさしく、和ませる色。緑は、色そのものというより、環境をイメージさせたり、若さや安全を示す言葉として使われたり、表現のサポート役として活躍する色のように思えます。
 そんな緑という色が、これからインテリアの主役になりそうです。

 

 

 その緑、最近はどんな風に使われているのでしょうか。部屋の中でもそれなりの面積を占めるキャビネットの扉に、緑を持ってくる。そんな家具をいくつか見かけました。

 框(かまち)の太い、直線的なトールキャビネットに、はっきりとした強い緑。空間に求心力が生まれます。赤や黄色は派手すぎる。青では重くなってしまう。でも緑なら、どこか安心?そんな緑の魅力に気づかせてくれます。
 ペンダント照明のやわらかな淡いグリーンも効いています。 

 またグラフィックパターンの中にも緑を発見。こちらはローキャビネットですが、ペールグリーンをベースにした柄は、ナチュラルで可愛らしく、北欧風のインテリアにも合いそうです。そういえばミリタリーグリーン、カーキグリーン、そんな男性好みのグリーンもありましたね。
photo:moooi

  こちらのダイニングセットでも、チェアにグリーンを上手に使っています。座面の張り地は、手描き風のドット柄。イエローグリーンとディープグリーンの取り合わせは新鮮です。
photo:Gervasoni  

 

 

 そしてグリーンに一番期待できる効果。もしかしたらそれは環境との調和かもしれません。

 このソファは、グリーンの耐候性ファブリックで張られた屋外用のソファ。庭や景色の美しいホテルのテラスやガーデンレストランで、美しいグリーンを使えば、環境の中に家具が自然に溶け込みます。クッションにヴィヴィッドカラーを使って、アクセントにするのもいいでしょう。

 
  photo::Paola Lenti

 

 観葉植物や多肉植物など、インドアグリーンは日本の暮らしでも、おなじみのインテリアエレメンツですが、収納やテーブル、チェアの座面など、緑を取り入れることで、インドアグリーンとインテリアがうまくなじむかもしれませんね。淡い木目や白木の家具とも、合わせてみたい色です。

 

 

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 「植物の花や実の色と、葉のグリーンは、全て巧みにカラーコーディネートされている。」という話を聞いたことがあります。
 確かに花の色同様、葉のグリーンも植物ごとに様々です。
 コーリアン®ブルーミンググリーンは2013年度の新色10色の中の1つ。和にも洋にも調和するグリーンです。
 これからどんな“巧みな”コーディネートを見ることができるか、とても楽しみです。

 

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