[My Style Color 09] 無彩色でフォルムと色をくっきりと

2014.06

今月の色   エボニー
  吸い込まれるような漆黒とはまさにこの色。
  以前は星空のように輝きのある黒を取り上げましたが、このマットな感じの黒は、使い方でとてもモダンになると思います。

 

 

黒は個人的にも愛用している色です。
特に服。体型をカバーしてくれるのはもちろんですが、黒はフォルムをきれいに出す色だと思っています。
タックのきれいなシャツ、裾が踊るようなワンピース、襟ぐりのカットがシャープなカットソーなどは、つい黒を選んでしまいます。通称LBD—いわゆるリトルブラックドレスは、女性なら誰もがクローゼットに持っている定番の一着ではないでしょうか。

 

 

それはインテリアや水まわりの中でも同じかも…と気づいたのはこちらの一枚の写真から。とてもモダンなバスルームです。

 実はこれ、洗面のボウルとカウンターは黒のコーリアン®でつくられています。薄いトレーのようなボウルと、そこから伸びたカウンターは、空間の中でアイコンのように目立ちます。無彩色はニュートラルな表情で、フォルムを強調してくれる効果があるのだと感じました。
 脇にあるキャビネットもブルーのコーリアン®でつくられていて、この黒とブルーの組み合わせはポップな印象さえあります。

photo:Esperanto washbasin and mirror by Rexa Design realized in Corian® in the new Deep Nocturne color produced with the innovative DeepColour Technology by DuPont; design by Monica Graffeo; photo courtesy of Rexa Design; all rights reserved on designs and photo.

 そしてカウンターを上から見ると、グラフィックデザインのような、曲線的なデザインが、黒の強い存在感でよく表現されています。最近はバスルームも凹凸感や素材感の強いものが人気でしたので、この‘つるっ’としたフォルムと色はかえって新鮮でした。
 
 
photo:Esperanto washbasin by Rexa Design realized in Corian®in the new Deep Nocturne color produced with the innovative DeepColourTechnology by DuPont; design by Monica Graffeo; photo courtesy of Rexa Design, all rights reserved on design and photo.

 

  たとえばこんなものもあります。黒のコーリアン®で加工されたバスルームのシリーズ。バスタブやミラーフレーム、キャビネット、シャワートレイ(足もとのトレイ)…。これは黒だからこそ、フォルムが印象的に見えているのではないでしょうか? 黒を色としてだけ使うのではなく、立体のフォルムの中でつかうと、また違った印象がもてそうですね。
photo:Modern Nomads collection by Grohe realized in Corian® in the new Deep Nocturne color produced with the innovative DeepColourTechnology by DuPont; design by Paul Flowers; photo courtesy of Grohe, all rights reserved on designs and photo.

 

 ところで色の濃い人工大理石は、使い方に注意がいるそうです。というのも、光の当たり方では傷やしみや手油が、淡い色に比べて目立ちやすいからです。 とはいえ、どんな素材でも日常で使うものである以上、絶対に傷がつかないものはありません。それは木材だって、ステンレスだって、ガラスだって同じこと。
 日本ではどうしても目の前の傷を気にしてしまいがちですが、今回紹介したような海外のインテリアアイテムでは、こんなに大胆に黒を使って、心地よいほどです。住まいでいい素材を使うということは、とても意味があることです。
 ぜひ遠目で見てみてください。よい素材は空間の中で、心地よい空気感を放ちますよ。

 

 

 

 
 
本間美紀プロフィール

 早稲田大学第一文学部卒業、インテリアの専門誌「室内」編集部へ入社。独立後はインテリア、キッチン、デザイン、暮らしの分野で編集執筆活動を続けています。
 自分らしい暮らしを実現した住宅や家具やインテリアの最新情報の取材に、海外から国内まで駆け回っています。
  いろんなマテリアルも大好きで、じっくり見てしまいます。
 
 最新刊 「リアルキッチン&インテリア」(小学館)   
 ブログ キッチンのこころ http://kitchen-journal.exblog.jp

 

 

 コーリアン®スタッフからひとこと

 コーリアン®は、カットはもちろん、穴をあけたり、曲げたりと自由に加工することがでることをご存じですか?
 さらに、専用の接着材を使用すれば、継ぎ目が目立たない美しい仕上がりに。
 曲げる時は、オーブンであたためたコーリアン®を木型にあてて形をつくります。
 もともとは板状のコーリアン®が様々な形に姿をかえていくのを見ているとワクワクします。
 あなたの思いをコーリアン®で形にしてみませんか?

 

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