独創性と機能を両立した スターバックスとコーリアン®の挑戦

2019年2月28日に国内初、世界で5番目の「スターバックス リザーブ® ロースタリー」が東京・中目黒にオープンした。世界中から調達した希少価値が高く個性豊かなコーヒー「スターバックス リザーブ®」の焙煎と抽出を目の前で見ることができるほか、通常の店舗では扱っていないドリンクやフードを楽しむことができる、特別なスターバックスだ。

 目黒川沿いに立つ「スターバックス リザーブ®ロースタリー 東京」の建物は、外装デザインを手がけた隈研吾氏と、設計・内装デザイン担当のスターバックス・デザインスタジオとの共同により「新しい日本らしさ」を表現。1階のメインバーから、斬新なティー体験が楽しめる2階の「ティバーナバー」、3階の日本初上陸のカクテルバー「アリビアーモバー」、そして4階のAMUインスピレーションラウンジまで、各フロアの天井は折り紙をモチーフにデザインされている。また、3階のバーカウンターなどでは、日本の伝統的な釘を使わない工法も採用された。

 「細部まで、ひとつも妥協したところがない」と同社がコメントする店舗づくりにおいて、コーリアン®もデザイナーの高い要求に応える素材として、さまざまな場所に採用されている。1階のメインバーでは、バリスタが作業を行うバックカウンターやベーカリーコーナーの陳列カウンター、2階の「ティバーナ バー」ではバックカウンターのほか、ティーサーバーの台座に、3階の「アリビアーモバー」、4階のラウンジでも、カウンターの一部に使用されている。

3F のカウンターテーブルにコーリアン® を使用。カウンターの中には焙煎機。

 

2F のティバーナ バーでは、半円形の作業テーブルをカウンターが取り囲む。

カラーはすべて大柄のはっきりとした模様が際立つプリマシリーズのウィンドスウィプトプリマ。「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」では外装に使用された杉板をはじめ、店内でも明るい色の木材が使用されている。ウィンドスウィプトプリマのナチュラルな色合いは、こうした木材との相性もよく、また、ほかにはない独特の流れ模様が、内装を手がけたデザイナーの目にとまり採用に至った。さらに唯一無二の個性を追求するデザイナーの要望により、特別にシートの表面ではなく、通常は見えなくなる裏面をカウンタートップとして使用している。

加工においては、表面とはやや異なる独特の模様を生かしながら、表面と同様の機能性を発揮するよう、0.1ミリ単位での調整を重ねながら、研磨作業が行われた。つまり、研削をかけすぎるとデザイナーの求める雰囲気を再現できず、研削が不十分であれば、コーリアン®の持ち味である均一性が最大限に生かされない。そこで、スターバックスのデザイナーFrankPaulus氏の立会いのもと、コーリアン®の加工会社でいくつもの加工サンプルを用意し、最適な仕上がりを模索。求められる意匠性と製品としての信頼性を両立することできる仕上げを決定した。

 世界中のどこにもないロケーションで、新しいコーヒー体験を堪能することができる「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」で、これまでに見たことのない、コーリアン®のこだわりのカウンターも、ぜひ、ご覧いただきたい。

3Fのアリビアーモ バーの作業カウンター。

1F から見た店内風景

2F から1F を覗く。 スタッフの作業するテーブルはコーリアン® で統一されている。

●所在地 東京都 目黒区 青葉台2-19-23
 https://www.starbucks.co.jp/roastery/
●設計・内装デザインスターバックス
●外装デザイン:隈研吾建築都市設計事務所
●家具製作:株式会社 天童木工
●コーリアン® 加工協力 株式会社ライト