シーフード専門店の「Scott's of Mayfair」は、ロンドンでは古くから馴染みのあるレストランです。このお店がこのほどスタイリッシュに改装されました。
新しいインテリアは、40年代のエレガンス全盛期へのオマージュとして、海にまつわるモチーフが使われているのが特徴です。たとえば、床のモザイクタイルは魚のうろこを模したもの、バーのスツールには帆立貝をイメージした面取りが施され、アイスペールはイルカの尾に見立てられています。そして、忘れてはならないのがコーリアン®でつくられた舟盛りを思わせる什器。毎日獲れたての魚介類を盛る、このお店の目玉です。
内装デザインを担当したマーチン・ブルニツキ(Martin Brudnizki)氏は、彫刻的で斬新なデザインで知られるデザインスタジオ「Future Systems」に、この什器を含む店内の重要な設備のデザインを依頼しました。いずれもコーリアン®が使われ、加工はCutting Edge社が担当しました。
バースペースの中央に誇らしげに佇む、この什器には毎日いっぱいに氷が盛られ、食欲をそそる海の幸がいっぱいに並びます。クールなグレイシアホワイトのコーリアン®が使われたのは、Future Systemsの作風を活かせるデザイン性があったのと同時に実用的な意味合いもありました。
ひとつは飲食店では死活問題である衛生面に関するもの。正しくメンテナンスしていればカビや細菌の繁殖も抑えられるという性質が重視されました。さらに、比熱が大きく、水が染み込まないというコーリアン®の特性は、魚介の鮮度を保つために必要な大量の氷を載せるのに理想的なものでした。
Scott'sの店内では、サービス用ワゴンや化粧室の洗面カウンターにもコーリアン®が使われています。什器と同様、熱による曲げ加工とシームレスな接着で、彫刻のような造形にしつらえられました。(これもデザインはFuture Systems、加工はCutting Edgeが担当。)
Future Systemsのアマンダ・レヴェット(Amanda Levete)氏はコーリアン®を選んだ理由をこう語りました。
「私たちは、複雑で有機的な形状で表現することが多いのですが、コーリアン®はそれを実現できるパーフェクトな素材です。CNCと熱曲げの高度な技術によって、やわらかく流れるような、それでいてソリッドな作品をかたちにすることができました。私たちがデジタルデータでデザインした非常に複雑なデザインは、他の素材では決して実現することができません。この作品に必要な、なめらかな手触りと正確な仕上がりを生み出せたのは、この素材のおかげです」
また、レストラン「Scott's」の支配人である、マシュー・ホッブズ(Matthew Hobbs)氏は言います。「この作品は、控えめに言っても見事な成功だと言えますし、お客様の評判も上々です。見栄えもよく実用性にも優れていて、スタッフは皆、大喜びです。ワゴンやトイレのボウルも同じで、リニューアル効果を感じています。お客様の会話のきっかけにもなっています」