企業の枠を越えたオープンイノベーションを実現 新たなビジネスを生み出す共創の場

京橋駅2番出口直結、京橋交差点に面したビルの1階〜3階に、さまざまなビジネスパーソンが集う施設がある。オフィスや病院、公共施設などのインテリアを手がけるイトーキのイノベーションセンター「SYNQA(シンカ)」だ。

「SYNQA は、企業内の組織の枠を超えて、内部の知と外部の知が交流し、新たな可能性を生み出す場所、オープンイノベーションを実現する場となることを目指して、誕生しました。1階、2階、3階それぞれに異なる目的・デザインを有しています」と語るのは、今回のデザインを担当した株式会社イトーキの香山幸子氏。

1階は、登録をすることで外部の人も利用できる会員制のコワーキングスペース。誰でも気兼ねなく利用できる心地よいカフェ空間や、常に新しく期待感を抱かせる企画展示、見ているだけでワクワクするような書籍群、さらにビジネスに役立つ各種ツールが用意され、さまざまな分野で活躍するビジネスハイパフォーマーを、自然に内へと招き入れる環境が整っている。

「1階のこのスペースは、外からたくさんの方に集まっていただきたいので、天然木の温もりを大切にしました。さらに、木以外の素材は敢えてすべてモノトーンにすることで、空間に〝締まり〞を演出。そして空間をつなぐカウンターにはコーリアン®を選びました」。


照明と素材にこだわっているSYNQA。透過性のあるグラーサホワイトがLED の光をやさしく受け止めている。

もともと、L字型の1階スペースは右半分がカフェ、左半分がワークスペースとなっており、空間が2つに分断されてしまうのが課題であった。そこで、カフェカウンターとコンシェルジェカウンターをコーリアン®で統一。ステンレスの照明とともにコの字型にすることで、空間全体を一つにまとめあげることに成功した。

「カウンターを作る際には、さまざまなマテリアルを取り寄せました。天然木の質感にあうこと、カラーガラスとの相性がよいこと、そしてシームレスで手に触れた時に上質感を感じさせること。こうした条件を満たしてくれたのが、コーリアン®だったのです」と香山氏。

さらに、カウンターの下には、LEDの照明を配置。白く浮かび上がるグラーサホワイトは、都会的でありながら温かみを持つSYNQA のインテリアの中心として確かな存在感を放っている。

「唯一無二、他に比べるもののないマテリアルというのは、コーリアン®の大きな特徴。これからもデザイナーとして、さまざまなオフィスに提案していきたいと思っています」

 


L 字型の空間に浮かび上がるコーリアン® のカウンター。斜めに配した床の切り替えとも相まって、空間に奥行きと広さを演出している。


肌あたりの良さや手入れの良さで利用者やスタッフにも評判がよい。

 

●施主  イトーキ 東京イノベーションセンターSYNQA
       http://www.synqa.jp/
●所在地 東京都中央区京橋3-7-1 相互館110 タワー 1 - 3F
●竣工   平成24 年8 月