パリ北西に位置するLavellois-Perretの街でのオフィスビルの改修プロジェクト。rue Rouquier通り沿いのビルは新しいモダンなファサードに生まれ変わった。ビルの建築は18世紀後半に遡る。今回はオリジナルの構造に2フロアーが増床された。
不動産デベロッパーのFoxyによるビルの改修計画は1750㎡におよび、BXLMRS Architectsの設計によって実施された。改修プロジェクトは2019年7月に完了。ビルは地上階の廊下でつながれた2棟で構成され、新しいビルでは2フロアーが追加されている。
ビルの外装にコーリアン®が使われた。フランスのルヴァロワ・ペレの複合ビルの新しいファサード。設計:BXLMRS Architects、写真:Stéphanie Roland, all rights reserved.
設計者は既存のファサードのメインレイアウトをリデザインし、ガラス・アルミニウム・コーリアン®という3つの異素材を使ったグリッドパターンをつくりだした。 クライアントと設計者は、耐久性、耐候性、デザイン性の点からコーリアン®を外装に使うことに合意。加工施工は風を通すファサードに強みを持つ、Limeparts-Drooghmans社が担当した。
難しかったのは、18世紀後半に建てられた当時の外装の印象と拡張したエリアの印象を統一感のあるモダンなイメージにまとめること。BXLMRS Architectsの意図は、既存の建築のコンクリートのグリッドに新たな価値を付加することで、ビルをアップデートするというもの。 コンクリート表面はなだらかではなく、接続ポイントを正確に決めるため、ファサードを3Dスキャンする必要があった。コーリアン®のグレイシアホワイトのパネルはもとの建築のディテールを維持しながら、その上に施工された。コーリアン®の加工性の高さにより、シンプルで幾何学的なパターンをつくることができ、ラインもクリアに出すことができた。ほぼ正方形の大きな窓は、公道から見える新しいオープンなファサードを完璧なものにしているだけでなく、自然光を最大限に取り入れる役目も果たしている。
ビルの外装にコーリアン®が使われた。フランスのルヴァロワ・ペレの複合ビルの新しいファサード。設計:BXLMRS Architects、写真:Stéphanie Roland, all rights reserved.
このビルにはオフィスと住居が入っている。金属が使われている増床部分は、地元の景観規制に合致させるため、屋根部分が斜めになっている。
美しさという視点から言えば、新しい5階建てのビルにはコーリアン®の特性をいかし、視覚的な連続性を持たせている。BXLMRS Architectsはこれまでにも、こうしたリノベーションプロジェクトでコーリアン®を使ってきた。
BXLMRS Architectsのディレクターで、建築家のLionel Bousquet氏は次のように語っている。
「ボルドーにあるHotel Seeko's(2007年外壁に世界で初めてコーリアン®を採用した)を何度も通りかかっており、10年経っても素晴らしいと感じていた。耐久性、耐候性、そして自然な見え方や一貫性はファサードにおいて必須要件。様々な用途で使え、興味深い応答をもたらす素材だ」
このプロジェクトはフランス-ベルギーの国境を超えたコラボレーションを顕彰する、AMO (Architecture and Project Management)の建築賞のヨーロッパ部門フランス-ベルギーに選出された。
ビルの外装にコーリアン®が使われた。フランスのルヴァロワ・ペレの複合ビルの新しいファサード。設計:BXLMRS Architects、写真:Stéphanie Roland, all rights reserved.
ビルの外装にコーリアン®が使われた。フランスのルヴァロワ・ペレの複合ビルの新しいファサード。設計:BXLMRS Architects、写真:Stéphanie Roland, all rights reserved.